精神的ストレスと体

以前から数か月に一度通院されている20代の女性。

あるスクールに通っており、そこでの人間関係でかなりお悩みのご様子。

症状は、「首や肩が張って痛くて、胃の調子も悪く、食欲もなく、時々吐き気があります。  またぐっすり眠れない日が続き、土日に寝だめをしても体の疲れが全く取れません。」とのこと。

 

当初は、体を診てみると、腹部(胃や肝臓)中心に頭の先から足まで全身緊張状態に硬く張っていました。               精神的ストレスが高いのが良くわかります。

 

治療をしながら話を聞いていると、少しリラックスされたのか、途中でうとうとと眠ってしまうこともしばしば・・・。

治療した日は幾分楽で、その日は少し寝つきが良いのだとか・・・。

しかし、数日経つとまたつらい症状に・・・。

このような治療が、しばらく続きました。

 

先週、三週間ぶりに来られ、6月いっぱいでスクールが終了し、目の前にあった悩みがなくなったせいか、体全体に変化が・・・

 

まず、体全体の緊張感が少し抜け、首の硬さが以前ほど硬くなく、ほぐれ感があり、腹部の緊張感も少し柔らかくなっていました。

治療をしていて、全身がゆるんで行っているのがわかります。

ご本人からも「体がだんだんほぐれていくのを感じます~!」とのこと。

 

ストレスによって体の緊張信号が出っぱなし状態の時は、いくら治療をしてもなかなか効果が表れにくく、治療する側も、もどかしい気持ちになることもあります・・・。

ストレスが及ぼす体の不調はつくづく大きいな、と実感します。

 

また、人が生きていく以上、日々のストレスから精神的に強くなる必要性はあると思いますが、自分一人で抱え込まないで、誰かに話を聞いてもらうだけでも楽になると思います。  

 

このような患者さんに、治療以外に何か出来ることはないかな、といつも思うのですが、やはり話を聞いてあげることぐらいしか出来ません。

時によっては時間があれば、お茶をしながらの会話もあったりもします。

患者さんの気持ちや体が少しでも楽になり、生活に笑顔が出れば、こんなに嬉しいことはありません。