しゃがむ体勢と腰痛

町内の掃除で1時間しゃがんだ状態で作業をし、その後自宅の庭をまた1時間ほどしゃがんだ状態で草取りをした女性。

もともと腰痛持ちで、いつも左側の腰が痛いとのこと。

 

「数日経って次第に腰と左股関節(こしぼねの辺り)に痛みが出てきて、2週間ほど様子を見ていましたが、痛みが強くなってきました。      特に長時間すわって立ち上がる、車から降りる時に痛くてスムーズに動けません。」

 

診てみると、腰から臀部辺りまで左寄りに強く張って硬くなっていました。また、左臀部(仙腸関節)が炎症を起こし、かなりの熱感がありました。

 

その日は、軽くさする程度で治療を終えました。

 

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次の日、「今日は、左の股関節が特に痛みます。腰の痛みは昨日より少し落ち着いています。」とつらい顔をされて来られました。

腰の張りは少し引いていましたが、股関節回りは強く張っていました。

 

3回目の来院時、「日常生活においては、何とか動けるようになりました。

でも、長時間いすから立ち上がる時や前かがみの姿勢時に強く痛みます。」

 

5回目の治療時、

「ほぼ、楽になりましたが、急に体の向きを変える際など腰が ”キュッ”と痛くなる時があります。」とのこと。

 

そこで、次回の治療は腹部の筋肉をゆるめる自費治療はいかがと、ご提案させていただきました。

私 ・・・ 「理由は、腰痛の痛みはかなり落ち着かれました。しかし特に左腹部の筋肉が、かなり硬くなっています。    もともと、硬いのかもしれませんが、今回の腰痛でさらに硬くなった可能性があります。

そのため、体の向きを変える際、腹部の浅い筋肉は動いても深部の筋肉が動きにくく、それが痛みになっているのだと思います。

この腹部の筋肉の硬結を取ることで、今までよりもかなり楽になると思いますよ。」

 

患者さん ・・・ 「来週の週末に社内旅行があるんです。それまでに何とか腰を治したいと思っています。  ぜひ、おねがいします!」

 

次回、腹部の筋肉の治療をさせて頂くことになりました。

 

腹部の治療をした数日後、最後の来院。

顔の表情も明るく、その後の様子を聞いてみると、

「あれから腰はかなり楽で、”キュッと“した痛みもなくなりました。

これで安心して旅行に行けます!」と嬉しい笑みで答えてくれました。

 

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腰の状態が良くない時にしゃがむという体勢は、無理があります。

そもそもしゃがむ体勢は腰に体重がかかり、よくありません。

お腹の奥の筋肉が硬まってしまい、骨盤自体もその硬くなった筋肉に沿って次第に歪んできます。

 

特に普段し慣れない体勢には気をつけないといけないかもしれませんね。