耳の奥の痛みと偏頭痛
今回は、50代前半男性経営者で、耳の奥の痛みと偏頭痛です。
最近、コロナ渦の仕事のストレスなのか、なかなか眠れない日々が続き、寝不足ぎみになっているとのこと。
そのせいか、左頭部の偏頭痛、左耳の奥の強い痛み、それに加え、胃の調子もあまりよくない、とのことです。
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耳の痛みと偏頭痛は頭蓋骨に関係があるので、頭蓋骨の説明を簡単にしておきます。
頭蓋骨の骨は20以上の骨がつなぎ合わさっています。
骨と骨との連結を‘ 縫合 ’といいます。
この縫合が、頭や顔の筋肉や帽状腱膜(頭蓋骨を包む組織)などの重みや日常生活のクセで歪んできます。
縫合に歪みがあると、神経や血管の流れに不具合を起こし、のちに首や肩への負担を増して、頭痛、また不眠症など、さまざまな不調が現れます。
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ところで、この男性の頭蓋骨の縫合・顔の関節部も、特に左側がびっしりと詰まったように硬く張っています。
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耳周りや顎関節周辺の硬結は強く、胃の不調のせいか、頸部、胸部、背部(胃の裏のあたり)の張りも診られます。
頭部や耳周りから治療を始めたいところですが、まずいつもの腹部から、そして胸部・背部の硬結から弛めていきます。
頭頸部の張りも、緊張した腹部の筋肉から引っ張られていることも多く、また腹部を弛めることで、全身のこわばりもある程度弛んできます。
腹部が弛んだら、次に胸部から腕のすじにかけてやや丁寧にほぐしていきます。
頭部が硬い方は、胸の筋肉も硬直されている方が多いです。
また腕をほぐすのも大切で、胃腸の調子が悪い時は腕が硬く張っています。
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そして、頭部の治療です。
この患者さんは耳が痛いということで、側頭筋、咬筋、胸鎖乳突筋、顎関節など丁寧に治療をしていきます。
次に、さきほどご説明した頭蓋骨の縫合を、
少しずつソフトにゆるめていきます。
頭をほぐしていくと、ほとんどの患者さんは気持ちよくなって、一瞬眠りに入ってしまいます。
副交感神経が働いて、体がリラックスするのでしょう。
また同時に、硬くなった頸部も自然にゆるんできます。
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これで、いくぶん上半身は弛んできました。
あとは、下肢(両足)の張りを軽くとり、硬く張った背骨の筋を神経の通りがよくなるようにほぐし、最後に背骨のしなりがでるように整えます。
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このような治療を、あまり日を空けずに3回いたしました。
徐々に体全身の緊張が抜けていき、3回目には、あまり耳の痛みが気にならなくなった、とのことでした。
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ストレスでの耳の奥の痛み、寝不足による偏頭痛と胃の痛み、どちらも身体が十分に休息していない状態だといえます。
ゆっくりと十分に寝ることが肝要といえます。
🌺 ヴィラ整骨院
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