肩の痛みと股関節の関係

左肩の不調で来られた60代後半の男性。

今回は、以前の五十肩のように痛く、仕事がしづらいとのこと。

診てみると、肋骨(胸郭)、肩甲骨、背骨の胸椎がロックされたように凝り固まっており、とても肩関節を動かせるような状態ではありませんでした。  

 

当初、肩回りの治療をしていましたが、あまり改善が見られなかったので、股関節の施術をご提案させてもらいました。

 その方の股関節は案の定硬く、可動域が悪くて十分な動きが出来ません。  とりあえず股関節、腰回りをしっかりゆるめ、肩の状態を診てみると、  肩周りもかなりゆるんで軽くなり、少し動かしやすくなっていました。

 

これは、肩関節の動きと共に股関節も連動して動いているためで、腸腰筋(腹部から股関節にかけての筋肉)や大腿四頭筋などが緊張して硬くなっていると、股関節の動きが制限され、骨盤が前傾していきます。

そのため、バランスを取ろうと胸椎が強く後湾し、肩周りの可動性の低下を導くようになってしまうためです。

 

その後、数回肩関節にアプローチした股関節の治療をしておりますが、少しずつ可動域が上がり、肩が上がりやすくなってきています。  

ご本人も少し楽になって、気分的に落ち着いてきたようです。

 

肩の不調すべてがこの仕組みであるわけではありませんが、     

意外にこのような状態で肩が上がりにくい方は多いと思います。

また、首痛や肩コリで悩まされているも方も腰回りが硬い方が多いです。

一度、腰回りの施術をしてもらったらよいかもしれません。